食品安全科学研究室
Food Safety Sciences
【研究内容】Aspergillus section Versicolores のSTC産生能獲得のメカニズム
投稿日:2016年04月25日
Aspergillus section Versicolores は国内外において食品や環境中に広く分布する真菌で、土壌や様々な室内環境、食品、海水など多様なところから分離されます。
Versicolores という名前は
「Versi」+「colores」
(多様な)+(色)
という意味です。その名の通り、同じグループに入る近縁な種間で、株間で、また、生育する条件によってさまざまな色を出すことが知らています。
写真はAspergillus section Versicolores に属する12株を培養したものです。
横に並んでいる3つは同じ株(個体)で、違う培地で育てました。非常に近縁な株同士なのに、色、形が実に多様で、同じ株でも培養条件で違う形質を示します。
なぜこのようになるのか。
非常に近縁なグループなので、遺伝子レベルで比較することでその要因を明らかにできるのではないかと考えています!!
そして、このカビの食品安全上の重要な問題点はステリグマトシスチン(STC)というカビ毒を産生することです。
STCはアフラトキシン(発がん性の強いカビ毒)の前駆体で、発がん性を有する可能性があることなどからリスク管理の必要性が検討されています。
色と同様に、STCも産生する株としない株があり、その原因も明らかになっていません。
そこで本研究室では、STCの産生性の違いを生み出している遺伝子レベルのメカニズムを明らかにする研究を行っています。
メカニズムを明らかにすることができれば、食品からのSTC産生性株を特異的に検出する効率的な方法が開発出来たり、STC産生の抑制など本菌の制御への応用が期待されます。
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