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研究内容
動物工学研究室では、主に哺乳類を対象とし、分子・遺伝子・ゲノムから細胞・個体・集団に至る各レベルで展開される様々な生命現象を、分子細胞生物学的手法を駆使して解析しています。これにより生物が持つ多様な機能と制御機構を明らかにし、人類と環境との持続可能な発展に応用するための基礎的理論や応用利用を目指した教育研究を展開しています。わたし達の研究室では、動物の遺伝制御に関わる領域と発生・生殖の制御に関わる領域が協働してこの目標の達成のため教員と学生が一体になって取り組んでいます。
遺伝制御学領域では、家畜と野生動物の違いに着目した遺伝子の解析や分析を行っています。家畜は、幾千年間にわたり野生動物を人間に役立つ方向に改良し続けることで作られた動物です。しかし、野生動物の家畜化にどのような遺伝子が関わっているのかはほとんど判っていません。家畜化による動物に生じた変化に関与する遺伝子を探し出し、その機能解明することは、野生生物の多様性の保全やヒトや動物の遺伝性疾患の原因遺伝子の発見にもつながります。
発生・生殖の制御に関わる領域では、なぜ受精卵は個体を形成できるのかということに興味をもっています。身体からの細胞の塊を母体に移植しても子供は生まれてきませんが、たった一つの細胞からなる受精卵を移植すると、子供が産まれてきます。受精卵は他の細胞とは何が違うのか。この特殊な性質を生み出す分子基盤の解明を目指して研究をしています。
卒業論文・修士論文研究に実験動物を用いた研究を選択された学生たちの研究風景です。
ブータンで飼育されているミタンと呼ばれる家畜です。家畜ウシとは異なる野生種から家畜化された動物です
私たちの研究室で育成に成功した自発性のけいれん発作を起こすマウスです。ヒトの疾病を研究するためのモデルとして利用できます。
発生工学の研究に欠かせないマイクロマニピュレーターです。不妊治療の現場でも大活躍しています。
先生からひと言
野生動物や家畜の遺伝的多様性の保全や有用遺伝子の探索、一方では実験動物を使って、受精卵の発生に関する分子メカニズムなどの研究に取り組んでいます。