TOPICS
研究内容
家畜の飼養管理、畜舎構造、環境管理を通して生産獣医療を学び、いかに家畜の病気を予防し、生産性を高めていくかについて研究を進めています。具体的には、乳牛において大きな経済的損失をもたらしている乳房炎に関して、乳房炎多発農家に赴いて搾乳立会を行うなど効果的な乳房炎防除手法の開発及び普及についての研究を行うとともに、乳房炎乳汁の細菌培養検査をルーチンに行っています。また、乳房炎が難治性となる原因の一つであるバイオフィルムと抗菌剤の関連といった基礎的な分野から、抗酸化物質の乳房炎防除への臨床応用、乳房炎への牛ラクトフェリンを用いた治療や予防への応用、泌乳能力を大きく損なう急性大腸菌性乳房炎の乳腺組織損傷のメカニズム解明とその制御など、臨床につながる分野まで幅広く研究対象としています。今後も現場の先生と接点を持ちながら、新しい知見や技術を臨床現場に還元できるような研究も進めていきたいと考えています。
乳房炎乳汁の細菌培養検査を行い、原因菌を分離・同定している様子
現地で搾乳立会し搾乳手順を確認している様子
子牛の採血
先生からひと言
獣医・畜産学に共通する学問体系の根幹をなす家畜衛生学は、常に実践をともない、実学的かつ応用的分野です。当研究室は、家畜が健康でかつ最大限の生産性を発揮するために、生産獣医療の観点から疾病予防と生産性向上に取り組んでいます。その中でも損害の大きい疾病である牛の乳房炎に関する研究に取り組んでいる全国で数少ない研究室です。