動物資源経済学研究室
研究内容
動物資源が現代社会のなかでどのように存在し、利用されているのか、そしてその背景は?
そういった問いにたいし、経済学をはじめとする社会科学的な視点から研究するのがこの研究室です。
具体的には、欧州でいち早く取り組みが進められ、アメリカでも最近関心が高まっているアニマル・ウェルフェアに配慮した畜産食品の生産・流通・消費の動向を、鶏卵を中心に実態を把握し、その展開構造を明らかにしようと研究しています。そのことを通じて、日本での適用に際しいかなる課題を克服すればいいかわかるからです。
1.世界的な規制の把握:アニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮した畜産生産は、欧米とくにヨーロッパで進んでおり、EUで統一した取り組みが進められている。またアメリカでも州ごとの法律段階から連邦法で定めようという動きが進みつつある。そうした世界の動向とその背景を正確に把握していくことが第一の課題です。
2.先進的地域での動向調査:実際に、イギリスやアメリカでは、スーパーの店頭で放し飼い卵は普通に売られていますが、それらはケージで飼育された卵と比較して高いものの、かなりの比率での広がりを見せている。その背景や構造を解明すること。
3.日本の畜産食品におけるアニマルウェルフェアの対応生産への可能性の検討:実際の小売店の店頭ではどのような商品が販売さえており、それらはアニマルウェルフェアの視点でみたときどのような特徴が見られるのか?
4.消費者の意向調査:消費者はどんな購買行動をとっているのか、また意識は?
先生からひと言
私たちの社会は食と農の距離が拡大し、畜産食品ができる過程がわかりにくくなっています。欧米で注目されているアニマル・ウェルフェアに配慮した生産は、今日の食を見直す良いきっかけを与えてくれます。