栄養学研究室

Nutrition

論文が公開されました

投稿日:2024年02月29日

栄養学研究室所属の獣医学専攻博士課程の新居康行さんの学術論文がVeterinary Sciences 誌に公開されました。

論文のタイトルは　Hypoglycemia after Mitral Valve Repair in Dogs です。

https://doi.org/10.3390/vetsci11020079　からアクセスできます。

この論文の要旨は以下のとおりです。

犬の僧帽弁修復術の術後併発症として低血糖はこれまで報告されていない。しかし、我々は犬の僧帽弁修復術後に低血糖を発症した症例に遭遇したことがある。そこで本研究では、犬の僧帽弁修復術後の低血糖の発生率を明らかにし、その原因を検討することを目的とした。その結果、低血糖の発生率は14.2％であり、これらの犬では術前と比較して、血漿グルカゴン濃度が上昇し、血清インスリン濃度は低下した。したがって、高インスリン血症や低グルカゴン血症は術後低血糖の原因ではないようである。さらに、この研究の結果から、低血糖のリスク因子は低体重と無症候性の僧帽弁閉鎖不全症（ACVIM Stage B2) であることが示された。低血糖エマージェンシーを予防するために、イヌの僧帽弁修復術後には血糖値のモニタリングを標準的な入院計画に含めるべきである。