食のデータサイエンス研究室

Nutrition Epidemiology and Data Science

栄養疫学★ジャーナルクラブ(2018/10/23)

投稿日:2018年11月07日

こんにちは。

後期の授業も半ばにかかり、中間試験を実施する科目がたくさんのようですね。

学生のみなさん、テスト勉強しっかりと頑張ってください。

公衆栄養学研究室のジャーナルクラブですが、今回はトランス脂肪酸班の班員が論文を紹介してくれましたので、そちらをご紹介します!

2018/10/23(草野君)

論文タイトル:デンマークにおけるトランス脂肪酸の摂取と妊娠高血圧腎症のリスク:前向き研究肥満外科手術に提出された肥満女性のバイオインピーダンス分析と二重標識水法による体組成の一致  (Chavarro JE et al., A prospective study of trans fat intake and risk of preeclampsia in Denmark. Eur J Clin Nutr. 2011; 65: 944-951.)

 

妊娠時に高血圧を発症した場合、妊娠高血圧症候群といいます。妊娠高血圧症候群には、

『妊娠高血圧』1『妊娠高血圧腎症』2、『高血圧合併妊娠』3と呼ばれる症状があります。

さて今回の研究では、妊娠中期(14~27週)のトランス脂肪酸摂取と『妊娠高血圧腎症』のリスクについて検討しました。

対象者は、1998年から2003年の間にデンマークの国民出生コホートに参加した約6万7千人の妊婦です。トランス脂肪酸の摂取量は、妊娠25週目に過去1か月の食習慣を尋ねるアンケートから推定し、妊娠高血圧腎症の有無は国の患者登録データから確認しました。

トランス脂肪酸の平均摂取量は、1.8~2.2g/day4でした。また対象者をトランス脂肪酸摂取量の高低で5グループに分けて比較した結果、妊娠高血圧腎症の発症リスクとは関連していませんでした。

この結果は年齢や妊娠前のBMIなど、妊娠高血圧腎症のリスクとなる様々な要因で調整しても変わりませんでした。

1妊娠20週以降に高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、あるいは拡張期血圧90mg以上)のみ発症する場合。

2高血圧と蛋白尿0.3g以上/日を認める場合、または蛋白尿を認めなくても肝機能障害、腎機能障害、神経障害、血液凝固障害、赤ちゃんの発育不良がある場合

3妊娠20週までに高血圧を認める場合

参考:日本産科婦人科学会. 妊娠高血圧症候群http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=6(cited 31, Oct, 2018)

4この研究が行われたデンマークでは、2004年に消費者向け販売食品のトランス脂肪酸について、含有量の規制が設けられており、この時期前後に食品業界が自発的に食品中のトランス脂肪酸を少なくしていく動きがありました。このような背景から、今回の研究でもトランス脂肪酸の平均摂取量は、研究開始当初1998年の2.2g/dayから2003年の1.8g/dayへと減少する傾向がみられました。



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