食のデータサイエンス研究室
栄養疫学★ジャーナルクラブ(2017/11/22)
公衆栄養学研究室の石原(教員)です。
公衆栄養学研究室は4月に新設された研究室です。
現在、10人の3年生が、一期生として試行錯誤を重ねながら、新しい研究室の立ち上げをがんばっています。
今日は、私たちが研究室活動として4月から続けてきているジャーナルクラブについて紹介します。私たちの研究室のミッションは、「エビデンス(科学的根拠)を知る・つくる・伝える」。ジャーナルクラブでは、世界の様々な地域において、人を対象に実施された栄養疫学の研究論文を、週に一度、輪番で担当者が内容について紹介し、話し合います。論文を読むことで、健康と栄養に関するエビデンスに基づく情報を見つけるノウハウを身につけることを目指しています。
今日は、一巡まわって担当が戻りましたので、石原が論文紹介しました。
4月当初は英語を読むところに苦労していた3年生、、、今ではするどい質問でこちらがタジタジすることもo(T△T=T△T)o。彼らの吸収力は素晴らしいです!!
ところでせっかく毎回、みんなが苦労して読んできますので、今後、時々(できるだけ毎週!)本日の論文をブログに紹介したいと思いつきました。手始めに本日、私が紹介した論文のハイライトを紹介します。
論文タイトル:学校における教育プログラムによる子供と家族への減塩効果:クラスター無作為化比較試験による検討(He FJ et al., School based education programme to reduce salt intake in children and their families (School-EduSalt): cluster randomized controlled trial. BMJ. 2015;350:h770.)
塩分摂取量を減らすことは、循環器疾患など生活習慣を予防する上でとても重要です。中国北部で実施されたこの研究では、授業の一環としての減塩教育によって、子供とその家族の塩分摂取量を下げることができるかどうか、「無作為化比較試験」という方法を用いて調べました。すると、約3.5ヶ月間の減塩教育を実施した小学校では、実施しなかった学校に比べて子供で約2g、その家族は3gの減塩の効果がありました。さらに大人では血圧も下がる効果がありました。子供に対する減塩教育が、効果的な減塩方法として公衆衛生上の意義が大きいという研究結果が示されました。(論文の本文は↓のURLからダウンロードできます。)
http://www.bmj.com/content/bmj/350/bmj.h770.full.pdf
地道な教育活動の効果が見える、じわ~っと元気の出る論文でした。
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